アクセスカウンタ

プロフィール

ブログ名
現下の国際情勢(Biglb版)
ブログ紹介
現下のホットな国際・外交問題について共に考えよう
help RSS

2つの重要サミットへの基本姿勢について露呈した米露間のすきま風

2012/05/20 14:12
今般米国キャンプ・デイビットで開催された本年のG8サミットには、先般再度就任したばかりのプーチン大統領は欠席し、首相に降格されたメドベージェフを代理出席させた。
   他方、オバマ大統領も、最近、9月ウラジオストックで開催されるAPEC首脳会議への欠席を発表した。

   両サミットとも、これまでどの参加国にとってもそれぞれの外交政治日程に出席必須の首脳会議として前もって組み込み済みの最重要会議とされ、首脳が死亡等真にやむを得ざるケースを除き、欠席した事例は極めて希といえるものだ。
   とくにG8サミットは、ロシアにとっては冷戦終結後やっと参加を認められたものであり、2006年ロシアが初めてホスト国としてサンクトペテルブルグで開催した際は、プーチンは、大統領として準備、運営万端につき細心の気を配り、議長を務め、成功させた。

   そのような性格の米国ホストの今回のG8サミットにプーチン大統領が国内政治上の理由で直前になって欠席を決めたのは、米側によって不快感をもって受けとめられたことはまず疑いない。従って、米国が、ロシア欠席の通報を受けて余り間をおかずして、米国がまだかなり先のロシアホストのAPECサッミトへのオバマ大統領の国内政治上の理由による欠席を発表したのもそのような米側の不快感を反映したものとみることも出来よう。

   APEC首脳会議は、G8サミットと異なり加盟国が非常に多数にのぼるため輪番で議長国が一巡するには長い年月を要する。本年のロシアホストサッミトにおいては、ロシアのアジア太平洋国家としての発展の可能性を世界に印象づけ、協力を取りつけるための好機として、プーチン大統領は、様々の野心的計画、演出を用意中と見られてきた。従って、オバマ大統領の欠席は、ロシア側を失望させるもので、米露関係が近時欧州における米ミサイル配備問題等をめぐり冷却化をみせている折から今後の両国関係にとり決して良い材料とはいえないであろう。 
    (Y. I. )
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。
  (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
**********************************************************************
  2012年版中国の軍事力に関するペンタゴン報告書が5月18日米議会に提出され、公表されました。((http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2012_CMPR_Final.pdf))
 推薦図書・資料
 1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
 2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


東アジアで展開する軍事演習合戦

2012/04/30 11:13
  東アジアにおいては、先般、米国と韓国、日本との間で恒例の軍事演習が行われ、とくに米韓のそれについては、北朝鮮に近い海域であったこともあり、北朝鮮側からの激しい反撥があったが、これら演習は、北朝鮮のみならず、近年の東アジアにおける中国海軍および沿岸監視船の活動の活発化を背景として行われていることは明らかであった。
  また、南シナ海周辺においても、米国とベトナム間の軍事演習が行われており、さらに、フィリピンも、米国との間で、4月16日からフィリピン各地で大規模な合同軍事演習を実施し、同月25日には中国などと領有権を争う南シナ海の島々に近いパラワン島の海軍基地で、双方の海兵隊80人が参加して上陸訓練を行ったようだ。
  米国政府は、フィリピン政府との間で初めての外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2プラス2を、近くワシントンで開くと発表し、海洋進出を進める中国を念頭に、両国の安全保障面での協力関係の強化を話し合うという。
  これらの動きの中で、中国とロシアも、両国海軍にとり初めての大規模で実戦的な合同軍事演習を4月27日まで6日間にわたり行った。
  中国の国営テレビなどが黄海上を進む中国海軍のミサイル駆逐艦「ハルビン」のレーダーが敵の艦隊に見立てた目標物を捉え、ロケット砲や対空砲を次々と発射し、甲板上から、敵の潜水艦を探知する哨戒ヘリコプターが飛び立つなどの実弾演習の様子を中継で伝えたようだ。
 「ハルビン」は中国海軍で初めて太平洋横断を実現した主力艦であり、隠密性が高い「宋級」潜水艦も参加した模様で、最近の米国と関係諸国の軍事演習に対抗した動きとして注目される。
(Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


国連安保理が最近やっと機能しはじめたのは、中露の協調外交によるのか単なる追随か

2012/04/23 08:55
  国連安保理は、シリア情勢や北朝鮮問題で強い決議や議長声明を採択しようとするとこれまで拒否権を有する中国やロシアがきまって慎重論を主張したり、反対して、安保理が実効的措置をとることを妨げ、安保理は、その第一の任務たる国際の平和と安全の維持機能を果たし得ないできた。
  このような状況が恒常的に続くことになれば、すでに一部で囁かれているように欧米諸国と中露両国間の「新冷戦」時代が到来したのではないかと憂慮されるのも理由なしとしないであろう。
  しかし、幸いなるかな、最近になってこのような情勢について多少改善の兆しが見えはじめてきたような観もある。
  1つには、北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射の失敗を受けて、北朝鮮の行為が先の安保理決議違反であるとしてこれを強く非難する安保理議長声明を採択しようとした際、中露の抵抗が懸念されたが、議長国米国の強力な采配により予想以上に迅速に強い内容の議長声明がとりまとめられ発出された。
  また、シリア情勢についても、現地ではアサド政権の血なまぐさい反政府勢力の弾圧が続行する中、国連安保理の欧米およびアラブ諸国メンバーが再三にわたりこれを停止させるための決議案の採択を試みたが、これまで露中の強い抵抗により失敗してきた。しかし、コフィー・アナン前国連事務総長が停戦実現のため仲介に乗り出してから、まず国連が30名までの先遣停戦監視非武装軍事要員チームをシリアに派遣する決議が露中を含む安保理理事国全会一致で採択され、監視チームが現地に派遣された。
  さらに、4月21日、市民弾圧を続けるシリア政府と反体制派の停戦監視のための平和維持活動(PKO)部隊の本隊を派遣する決議案が同じく全会一致で採択された。この新PKOは、国連シリア監視団(UNSMIS)と称され、非武装の軍事要員最大300人で構成し、政府と反体制派を含むすべての当事者に改めて暴力行為の停止を求め、政府に対しては、アナン特使に約束した、人口密集地からの軍の撤退や重火器の使用停止などを早急に実行するよう改めて要求するものである。
  中露両国は、国連が加盟国の内政干渉となる恐れがあると見られる決議の採択には従来より一貫して強く反対し、拒否権の行使も厭わないとの態度で臨んできているので、シリアにおける政府と反政府勢力の対立という一見純然たる国内問題について人道的観点から派遣される国連PKOに中露が賛成するというのは、両国のこれまでの立場から踏み出したものと云える。
  しかし、中露の以上のような最近の行動は、果たして国際社会が懸念する事態への対応への協調外交に両国が転じたものであるかどうかは即断できないであろう。むしろ、北朝鮮問題にせよ、シリア情勢にしろ、国際社会全体の眼に明らかに不穏、不当な状況に対する共同行動に対しては、中露としても抵抗ないし反対しきれず、両国とも大勢順応ないし追随の行動をとるのが無難と判断した結果とみるのが実際のところではないであろうか。この点は、いずれ、北朝鮮が準備をほぼ完了したとされる第3回目の核実験の実施を行ったり、シリアのアサド政権がやがて国連に約束した対応をとるのをためらったりした際に、安保理が更なる強い決議を検討せざるをなくなった時、明らかになるであろう。
(Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


東アジアにおいて見えはじめたミサイル軍拡競争熾烈化の兆し

2012/04/20 12:16
  北朝鮮の「人口衛星」と称する弾道ミサイルの発射が失敗に終わったばかりの東アジア地域において、インドは、4月19日、軍備の近代化の一環として、堂々と、中国、日本を含むアジアのほぼ全域を射程に収める新型の弾道ミサイルの発射実験を行った。このミサイルは、射程が5000キロを超える「アグニ5」と呼ばれるインド初のICBM=大陸間弾道ミサイルであり、インドの国防省当局によれば、ミサイルは目標地点に着弾し、実験は成功したという。
  一方、北朝鮮は、先般の「衛星」の打ち上げ失敗の技術的問題の解明をすでに終わり、打ち上げ技術の進化、発射のための長期計画を邁進することを宣言した。
  このような動きの中で、韓国国防省も、4月19日、北朝鮮全域を射程に収める巡航ミサイルを実戦配備したと発表した。同省によれば、この巡航ミサイルは、数百キロ離れたガラス窓ほどの大きさの目標を正確に攻撃できる能力、サッカー場数十個に相当する面積を焦土にする破壊力があり、「北の全域のあらゆる施設を即時に攻撃できるようミサイルの実戦配備を完了済みで、北が無謀な軍事的挑発をしてきたら断固として対応する」という。
   これらの動向に大きな関心を有するとみられる中国外務省の劉為民(リウウェイミン)・報道局参事官は、4月19日の定例会見で、インドの新型ミサイル試射について「中国とインドは協力相手であって競争相手ではない。双方は、現在の良好な情勢を重要視し、地域の平和と安定の維持に積極的に貢献するべきだ」と述べたとされ、一応、つとめて冷静を装っているようである。
   しかし中国の弾道ミサイル発射技術は、これまで人民解放軍が人工衛星、有人ロケット発射技術を含め主導的に軍事面を中心とした開発を進めてきていて、他のアジア諸国をはるかに水をあけ、米国に追いつくことを目標としている水準にあるが、インド等の新たな動きに刺激され、更なる積極的開発に取り組むことになるのは間違いないであろう。
  (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


「人工衛星」打ち上げ失敗後の北朝鮮威信回復のための次の手は

2012/04/15 05:54
  世界が注目する中行われた北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル打ち上げは、北朝鮮当局の想定外の失敗に終わった。
  平壌に設けられた立派な外国記者用のプレスセンターに集められた外国人報道陣の再三の質問に、答える言葉を失った北朝鮮側説明責任者は、自分らも上司からの指示をずっと待っているところだと怒鳴り返している映像が流れていた。
  さすがに、北朝鮮側は、失敗をあっさり認めるのが最善策と決断し、当日は金日成生誕百周年行事を何ごともなかったように粛々と進め、金正恩も笑顔で親近感を周囲・国民に示すようにふるまっていた。
  これまでの北朝鮮流に明白な失敗を「成功」と強弁し、無理な発表を行わなかったのは、先方の危機管理の知恵の1つとして賢明であったかもしれないと評し得よう。
  しかし、世界の眼には、今回の発射失敗により北朝鮮の威信が大きく失墜したことは明らかで、視察団を派遣してきていたイランその他従来よりのミサイル技術取引お得意先国は、今後の取引を考え直しかねず、北朝鮮のミサイル・ビジネスの将来に悪影響という実害も及んだことは間違いない。
  そこで、北朝鮮側としては、今回の失敗によるマイナスを挽回するため世界があっと驚く何らかのフォローアップ措置をとる公算が大きいと見て良いであろう。先般米国に対し腰を低くして交渉し苦労してまとめ上げた食糧支援合意も米側が中止を発表したので、米側にインパクトを与え、再度交渉テーブルにつかせうるようなものでもなければならないであろう。
  従って、北朝鮮の次なる手は、地下核実験であろうとの見方が有力であり、これは、「人工衛星」の打ち上げと同じく、金正日よりの遺訓の1つでもあるとの説もあるが、果たして、今回の「大失敗」を受けて、中国、ロシアの否定的反応をあり得る核実験を早期に再開する度胸が金正恩指導北朝鮮にあるのか、あるいは一旦低姿勢による恭順の姿勢を一時的にせよ示す方が賢明との知恵を示すことになるのか、注目に値しよう。
     (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


シリアによるコフィー・アナン特使の提案受託に拘わらず好転しないシリア情勢

2012/04/04 05:59
  当局側の力による弾圧、流血が続くシリア情勢は、コフィー・アナン前国連事務総長(国連とアラブ連盟の合同特使)のシリア側との直接交渉の結果、シリア側がその提案を受託し、国連安保理の全常任理事国がアナン提案を軸とした事態打開を支持する旨表明したことから、好転することが期待されたが、情勢は依然厳しく、早期に好転することは望み薄いようだ。
  アナン特使は、4月2日、ジュネーブからテレビ会議で和平調停案の経過を国連安全保障理事会に報告した際、シリア政府が4月10日までの部隊撤退などを約束したとし、停戦監視団の派遣を検討するよう安保理に要請したとされる。
  今月の安保理議長国の米国のライス大使によれば、アナン氏は、4月1日、シリアのムアレム外相から「10日までに軍の展開と重火器の使用を停止し、人口密集地からの軍の撤退を完了させる」と連絡を受けたと報告した。アナン氏は、これらが確認されれば、政府軍と反体制派は48時間以内に停戦合意するとの見通しを示した上、停戦合意した場合、停戦監視団を派遣できるかを調査するため、国連PKO局がシリアに調査団を派遣することも報告したところ、安保理理事国からは停戦監視団派遣に必要な決議採択に前向きな発言が相次いだものの、安保理理事国には、アナン氏の報告に懐疑的な見方も強く、米国は、シリア政府の暴力が収まるどころか、むしろ深刻化するかもしれないとの見方を示しているという。
  一方、シリア反体制派の組織「シリア国民評議会(SNC)」のブルハン・ガリユン議長は、4月1日、トルコのイスタンブールで開かれた反体制派支援目的の第2回多国間会議「シリアの友人」会合後に朝日記者に対し、アナン前国連事務総長の停戦案の条件が整った場合、政権移行目的でアサド政権との交渉に応じる用意があると語ったとされる。しかし、シリア政府は3月末にも停戦案受け入れを表明したことがあるが、その後も市民殺害は続いており、交渉の条件が整うことは決して楽観視されないであろう。
     (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


核サミットと米国の中国に対する核軍縮参加の呼びかけ

2012/03/29 07:23
   3月27日、53カ国の首脳が出席し、2日間にわたり核テロ防止策などを協議したソウルでの第2回核保安サミットは閉幕した。
   同会議では、高濃縮ウラン(HEU)削減計画の2013年末までの自発的な提示や、東京電力福島第一原発の事故を踏まえた原子力施設の安全強化の必要性などを盛り込んだ共同宣言を採択し、次回は14年にオランダで開催することを合意したようだ。
   会議の成果もさることながら、オバマ大統領が会議前の3月25日から韓国を訪れ、滞在中、北朝鮮の軍事境界線付近の非武装地帯(DMZ)を視察し、韓国と結束して北朝鮮に対応する決意を示したほか、韓国との友好関係、李明博大統領との親密振りを示したことが注目された。
   オバマ大統領のソウル訪問は、今回が3度目で、ワシントンに次ぎ訪問回数の多い首都であると述べたという。
   以上のほか、オバマ米大統領は、3月26日午前、韓国外国語大学で演説し、核拡散防止への国際的な取り組みの強化を訴えるとともに、核兵力を含めた軍備増強を続ける中国に対し、核軍縮交渉に参加するよう呼び掛け、また、ロシアに対してはこれまで手つかずだった戦術核兵器の削減に向けた交渉の開始を促す考えを示した。
   戦略核軍縮は、これまで米露間だけで交渉が行われ、合意がなされてきた。中国は、自国の核は、自衛のためのみのものであり、数も少ないとして、これまで交渉参加を免れてきた。しかし、米ロの核兵器削減で相対的に中国の核の存在感が大きくなってきており、米国として益々軍事大国化している中国の核戦力への懸念を表明し、中国を核軍縮交渉に引き出したいとの強い意向を示したことは当然であろう。
   周知の通り、中国は、まだ発展途上にあり、国土が広大であるとして、気候温暖化対策のためのCO2削減の法的義務から免除されるべきであるとの立場を固執しており、核軍縮交渉への参加の呼びかけについても当面参加を拒否すると見られるが、中国に対し、環境分野のみならず、核軍縮分野においても大国としての責任を果たすべしとの國際的圧力は今後益々強まっていくこととなろう。
   (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


ミャンマー民主化をめぐる熱気の持続性

2012/03/20 11:32
   ミャンマー情勢は、1年前からすっかり変貌した。
   発端は、2011年3月の民政移管によるテイン・セイン大統領の誕生を契機として同国において進められてきた民主化に向けての諸改革や国民和解のための取り組みが単に見せかけのものではなく、かなり真剣なものと受けとめられはじめたことによる。
   当初、それまで厳しい見方をとってきた欧米諸国の間には、これら動きが真の民主化に向けたものかどうか疑問視する向きも少なくなかったが、最近では、EUや米国政府も同国においてようやく民主化に向けた本格的ステップがとられ始めたと歓迎し、各国首脳・外相クラスも同国を訪問し、制裁措置の緩和に踏み切りつつある。
   我が国は、ビルマと呼ばれていた時代から同国と伝統的に良好な関係にあり、筆者も2年余居住したことがあるが、すでに同国に対し人道援助を超えた本格的政府開発援助の再開の動きを見せている。
   我が国民間企業関係者のミャンマー詣でも始まっており、ヤンゴンのみならず、新首都ネピドーに支店を開設する商社も出てきている。
   今後、ミャンマー政府は、4月1日に予定されている議会補欠選挙、明年の東南アジア競技大会(SEA Games)の開催、2014年のASEAN議長国就任等を控えていることから、民主化に逆行する諸措置は採りにくいものと思われるが、同国は、かつてビルマ式社会主義とも呼ばれた大国への等距離中立主義時代を含め、長期に亘る孤立政策を経験してきており、軍部出身指導層には、依然、急激な民主化、市場経済への突入には抵抗があるとみられるので、中国等近隣大国の出方を含め、これからの内外状況の展開次第では、同国の政策の揺れ動きや紆余曲折等は大いにあり得るであろう。
      (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


シリア流血情勢の長期化

2012/03/11 19:58
  シリアのアサド政権による反体制派の武力による弾圧を止めさせるため、国連とアラブ連盟の特使としてアナン前国連事務総長が3月10日ダマスカスを訪問し、アサド大統領と会談したが、不調に終わったようだ。
  シリア情勢をめぐっては、各国の外交も活発化しているようである。
  しかし、ロシアがアサド政権を支える基本姿勢を変えず、すでに安保理でシリア非難決議案に2度拒否権を行使しており、ラブロフ外相は、シリア行き直前のアナン氏とカイロで会談し、「シリアへの内政干渉に反対する」旨伝えたという。
  他方、反体制派を支援するカタールのハマド首相兼外相は、3月10日のアラブ連盟外相会合でシリア国民評議会を承認し、シリアに国際部隊を送るべきであると主張し、反体制派も対話の時期は終わったとしている。
  しかし、安保理の承認がない有志国による人道的軍事介入のような対シリア強硬策は、アラブ連盟の他の諸国や欧米諸国の支持を得られそうにないので、アサド政権による反体制派勢力の力による弾圧の状況は長期化し、各国とも局面を打開しえないまま手をこまねいて傍観を余儀なくされる事態が継続することとなろう。
    (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


再登場したプーチン・ロシアと北方領土問題の行方

2012/03/07 22:55
  3月4日行われたロシア大統領選挙の結果は、予想通り、プーチンの圧勝であった。
  得票率は、かつてのようには高くはなかったが、2位のいつものライバルであるジュガーノフ共産党党首を足下に寄せ付けない大差で勝利した。
  ロシアは、広大な国土を有する大国であるので、選挙結果集計に相当な時間を要するのだろうと思っていたら、何のその、開票後余り時間をおかずして、プーチンが早ばやと勝利宣言を行い、余程嬉しかったのか涙ぐむ姿が世界に流された。
  今回の選挙には、これまで同様、日本を含む諸外国より監視団が派遣され、一部に不正があったとの指摘もあったとされる。プーチン自身一部不正があったかもしれないと認めたとの報道もあるが、プーチンの勝利は揺るぎないものであろう。
  しかし、プーチンの権力掌握と長期政権化に強い懸念、不満をもつ多数の市民・インテリ・経済人等が存在することも明らかになっており、その動向が今後の注目点の1つであろう。
  一方、プーチンは、勝利が確定する以前より、本邦メディアに対し、北方領土問題について発言を行い、注目されている。その発言内容は、プーチンのホームページにも掲載されているようで、野田総理も、早くも、プーチンの当確の時点で電話会談を申し込み、勝利の見通しに祝意を表しつつ、領土問題については「叡智ある解決に取り組みたい」と述べたという。
  本邦紙によれば、プーチンは、北方領土問題について歯舞、色丹の「2島返還」による解決を迫ったとか、「2島プラスα」を示唆したものとか、すでに種々取り沙汰されているが、ロシアについての権威ある専門家である袴田茂樹教授によれば、プーチン発言についての本邦紙報道は、HPに掲載されているその発言全体の一部しか紹介しておらず、全体を読み、分析すると、「2島返還」すら明確にしていない(2島についての主権をロシア側に残したまま、開発を日本側に委ねるといった趣旨の単なる「島の引き渡し」を狙っているかもしれない)というので要注意である。
  袴田氏の指摘については、「プーチン首相の北方領土発言の真意を読み誤るな」
  (http://www.jfir.or.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form[no]=2354)をご参照。)  
     (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


明らかとなった米朝合意の内容

2012/03/02 10:10
   米国と北朝鮮間で行われていた核と食糧支援の取引をめぐる2国間交渉の結果が双方により同時に明らかにされた。
   合意の内容は、IAEAの査察の下でのウラン濃縮およびミサイル発射の一時停止と米国による24万トンの「栄養補助支援」を骨子とするもののようであるが、双方ともまだ最終的に詰まったものではなく、さらに細目について交渉が継続されるという。
   つまり、双方とも思惑があって一旦基本的合意をまとめ、発表したが、今後の交渉プロセスの中で双方、とくに北側は、その後の国内・周辺情勢や利害如何によっては、何時でも相手側の交渉態度等に難癖をつけて合意を反故にしうる性質のものである。
   早くも、IAEA職員による査察の対象にプルトニウム施設が入っているかどうかが明確となっていないとの問題点が浮上して種々取り沙汰されているが、実に危なっかしい米朝合意のようである。
   ただ北朝鮮の指導者交代後、金正恩の指導者としての政策ビジョンがまだ形成されていない過渡的期間における北朝鮮側集団的指導層の思考の方向性を探るとともに米側の基本的考えをインプットし、好ましい影響を及ぼす観点からは、今般の米朝交渉は、今後の本格的やりとりの第一歩として意味のある試みであった。
   米側は、日韓外交当局とも緊密な連絡をとりつつ北朝鮮との話合いを慎重に進めようとしていることは評価されるが、北朝鮮側が過去の例にも鑑み何時米側や韓国側に対し無理難題を言い出し、過激な行動に出てこないとも限らないので、米朝交渉が無事進行し、6者協議再開につなぎうる実質的成果がえられうるのか等当分の間状況を注視していく必要があろう。
     (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


北朝鮮情勢は、今般の米朝協議により動き出すだろうか

2012/02/26 06:10
   2月24日、北京で2日間にわたり開かれた核問題を巡る米朝協議が終了した。
   デービース米北朝鮮政策特別代表は、「劇的な変化は何もなかった」と述べつつ、「非常に広範で突っ込んだ意見交換ができたこと」が「多少の進展」であったと評価し、意味深長な発言をしている。
   同代表は、25日ソウルで韓国外交通商省のイム・ソ ンナム朝鮮半島平和交渉本部長と、また26日には東京で杉山外務省アジア大洋州局長と会談し、協議結果を日韓両国と分析し、今後の対応を話し合う予定で、米国として慎重な態度を示している。
   一方、25日北朝鮮国防委員会は、北朝鮮の至近海域で行われる米韓軍事演習に対し、韓国政府および米を激しく非難する声明を発し、報復の威嚇を行うなど、従前と変わらない強硬姿勢を見せている。
   今回の米朝協議では、米国が6か国協議再開の前提とするウラン濃縮の停止や北朝鮮が対価として要求する食糧支援、さらには拉致問題等を含む多くの問題について突っ込んだ意見交換ができたとされる。
   米側としては、はじめから「劇的な変化」が得られると期待していた筈はなく、意見の差が埋まらなかったのは当然で、北朝鮮の指導体制変化後の米国や6か国協議再開問題についての考え方にニュアンスの違いを含め何らかの変化があるか打診し、分析することを目的としていたものであろう。
   北朝鮮側は、従来よりの米朝接触で、米側に対し、24万トンとも30万トンとも言われる「栄養食支援」の要請をしていると云われ、今回も核問題打開の確約を伴わない何らかの食糧支援に関する「取引」の要請を行ったとみられる。
    これに対し、米側は、これを即座に拒否することなく、北朝鮮側に対し、「どのような食糧が必要とされ、かつ提供可能かどうか、また必要とする人に食糧が届くかどうかの監視は可能か、などを(実施の可否の)判断材料にしているとの基本方針を説明した」と述べ、慎重に検討する旨約して持ち帰ったとみられるので、米側が韓国、日本の感触を踏まえ、今後どのように処理するかが注目されよう。
     (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*****************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


情報が乱れ飛ぶイランをめぐる情勢は、どれだけ急迫し、深刻なのか

2012/02/19 07:37
  イランの核開発についての世界の疑惑は、日々深まり、深刻度が増大しつつあることは間違いない。
  一方では、イランのアフマディネジャド大統領および当局は、イランの核開発が着実に進展していることを累次宣明してはばからず、イラン国民もその進展に熱狂しているようである。
  これに対し、米国及びEU諸国のイランに対する制裁措置も着実に強化され、イラン包囲網も形成されつつある。
  日本も米国の強い働きかけによりイランからの石油輸入を大幅に減らさざるを得ない情勢だ。
  イスラエルがイランの核施設を狙ったロケット攻撃を考慮中との情報がパレッタ米国務長官により明らかにし、米国はその性急な実行を抑えている模様である。
  そのイスラエルのバラク副首相・国防相が、最近、地域情勢により大きな影響を受ける日本に対する根回しをも意図してか訪日した際、日本の対イラン制裁への協力を要請し、イスラエルとしてはイランの核開発阻止のためあらゆる措置を排除しないと強調したという。これに対し、日本側がイランに対する軍事的対抗は避けるべきであると指摘したことは適切であった。
  イランは、制裁措置に対しては、ホルムズ湾の封鎖をもって対抗する旨明らかにしており、日本政府も状況によっては自衛艦の同地域への派遣の可能性をも検討中といわれる。石油価格も次第に高騰してきた。
  以上のような情報だけからは、情勢は日々緊迫し、まるで何らかの事件が発生すれば一触即発で中東地域が大混乱に陥りかねない情勢に近づいている観にもみえる。
  しかし、他方では、IAEAは、イランは核施設の査察に十分な協力をしていないとの批判を繰り返しながら、イランへの専門家チームの派遣を続けたり、米国報道官がイラン当局による最近の核開発の急速な進展の発表は国内向けに実際よりかなり誇張されている旨指摘したりしている。
  さらに、2月15日イランが去年1月から暗礁に乗り上げている、欧米など関係6か国との核開発問題を巡る協議を再開する用意があるとした書簡を、EUのアシュトン上級代表に送ったことに対し、クリントン米国務長官は同17日、ワシントンでアシュトン上級代表との会談後の記者会見で、「重要な一歩だ」と述べ、「待ち望んだ反応」であるとしてこれを歓迎する姿勢を示したという。その際、同長官は、「協議を再開するなら、イランはみずからの核開発計画を明らかにする姿勢を見せ、ウラン濃縮を巡る情報を提供するとともに、濃縮活動の即時停止を盛り込んだ国連の決議を守るべきである」としたというが、まだイランとの交渉にもかなりの期待を抱いているかのごとき、多少悠長な反応であり、イランをめぐる情勢の緊迫度、深刻度に疑問を抱かせるものといえよう。
  (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


シリアの弾圧の停止を求める国連総会決議の採択

2012/02/17 11:27
   先般国連安保理でアラブ諸国・欧米諸国が推進してきた決議案が理事国多数の賛成投票を得ながらロシア・中国の拒否権行使により否決され、シリア情勢の行き詰まりが深まり、国連安保理の機能不全が露呈された。その際の当ブログ記事の中で、次の注目点は、拒否権制度の存しない国連総会で何らかの決議への動きが高まるかどうかである旨指摘したところ、国連総会通常会期は、目下休会中であるが、シリア情勢の緊急性に鑑み、2月16日、総会が開かれ、アラブ諸国や欧米諸国、日本などが共同で提案した決議案の表決が行われ、130 か国以上が賛成し、反対はロシアや中国を含む12か国のみで、決議は圧倒的多数で採択されたという。
   同決議は、アサド政権に対し、市民への攻撃の即時停止とともに、民主化に向けた政権移譲に向け退陣を求め、また、パン・ギムン国連事務総長に対し、アサド政権側との交渉に当たる特使の任命を求めるもののようだ。
   総会決議は、安保理決議と異なり拘束力はないが、現下のシリア情勢に対する国際社会の強い意思表明を何とか行うことができたということであろう。
   他方、シリア現地においては、安保理で拒否権を行使したロシアのラブロフ外相や中国の翟雋外務次官が訪問し、アサド政権存続のテコ入れに努め、アサド大統領も2月26日新憲法についての国民投票の実施を明らかにするなど、内外の事態の沈静化に努める恰好を見せてはいるが、シリア情勢の行き詰まりが改善に向かう兆しは何ら見えていない。
  (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66),(http://ameblo.jp/ysishi45/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


世界の原発は、今後減少に転ずるのか、それとも増加を続けるのか

2012/02/11 20:57
  福島原発大事故は、日本人の想像を超えて、全世界に注目され、衝撃を与えた。
  同時に、深刻な恐怖を引き起こし、熟慮と反省の機会をもたらした。
  その結果、日本においては。保有する54基のうち稼働しているのは僅か3基のみとなってしまった。ストレステストを合格し、地元自治体および住民の承認が得られれば再稼働しうるものもあるが、その了解を取りつけるのは容易ではないであろう。
  少なくとも日本においては、現在、原発は、諸悪の根源視され、エネルギー源として原発に依存することは、可能な限り少なくして行くべきであるとの国民的コンセンサスがいつの間にか形成されてしまったと見て良いであろう。
  それでは、世界の他の諸国での原発についての動向はどうであろうか。
  2月9日米原子力規制委員会が南部ジョージア州で計画されている新規原発2基(「ボーグル原発」増設)の建設・運転の申請について5人の委員による投票を行い、賛成多数で認可した旨報じられた。1979年のスリーマイル島原発事故後、原発の建設が行われていない米国で建設が認可されるのは、78年以来、34年ぶりで、2016年と17年の運転開始を目標にしているという。
   欧州では、ドイツ、スウェーデンなどのように脱原発の政策を採る諸国もあるが、フランスが電力の約8割を原発によりまかなっていることは良く知られており、フィンランドも原発の新規建設計画を変えていない。中国、韓国は、すでに原発大国であり、トルコ、ベトナム等も、原発建設計画を有し、日本の関係企業と交渉を行っている。
   福島原発事故は、世界の関係諸国に大きな影響を与えたのは確実であるが、これを踏まえて各国が自国計画の見直しを行ってもなお、自国エネルギー政策上、原発の継続・新規建設を実施せざるをえないというのが実情であろう。今般の上記米原子力規制委員会によるジョージア州新規原発2基の建設・運転の申請の審議に際しては、ヤツコ委員長は福島第一原発事故を受けた安全対策が規制に反映されていないとして反対票を投じたという。
   従って、世界の原発は、各国がその安全性に一段と注意を払い対策を講じつつも、引き続き増加傾向にあると見ざるを得ないであろう。
   日本としては、福島原発事故を教訓として自国のエネルギー源のベスト・ミックスを慎重に判断するに際しては、適切な安全対策を講じた原発のフィージビリティとともに、前述の世界の動向、とくに東アジアにおける周辺諸国の動きに留意する必要があろう。    
     (Y. I. ) 
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
***********************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


プーチンは、果たして無事「再選」され、覚醒したロシアを統治できるだろうか

2012/02/08 13:53
  ロシア大統領選挙は、投票日が3月4日に迫った。
  候補者は多数に上るようだが、プーチンの再選は揺るがないと見て良いであろう。
  しかし、これまでのように「無事」再選とは行かないというのも大方の見方であろう。
  プーチンが立候補したこれまでのどの大統領選挙と時よりも得票数は低くなるであろう。
  プーチン大統領によるロシアの長期統治に異論を表明した大規模デモがすでに何度も繰り出され、世論調査での支持率も低下してきている。
  これまでの大統領選挙の際、プーチンやメドベージェフはテレビ討論への参加を拒否してきたとのことだが、2月6日夜行われた討論では、プーチンは、あからさまにボイコットはせず、公務多忙を理由に女性の政治学者を代理出席させたという。
  まことに滑稽な話ではあるが、プーチンとしては、代理出席者を出すことで国民に多少の誠意を示したということかもしれない。
  先般のロシア議会選挙で選挙不正操作がさんざん叩かれたこともあり、不正とみえる当局による工作はより難しくなっているに違いない。
  アラブの春は、モスクワの春の選挙で思わぬインパクトをもたらすことにはならないか。
  外見的に自信満々と見えるマッチョ・プーチンも投票日を間近にして、目下、内心ではこれまでにない不安の日々を送っているのかもしれない。
     (Y. I. )   
**********************************************************************
 姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://blogs.yahoo.co.jp/ksmgsk66)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
  マーク・M・ローエンタール 著
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 
*********************************************************************
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


シリア情勢の行き詰まり−流血の弾圧を止めさせるすべはないのか

2012/02/05 11:19
   2月5日未明(日本時間)、国連安保理においてアラブ諸国・欧米諸国が推進した決議案がロシア・中国の拒否権行使により葬り去られ、安保理主導の国連が介入しアサッド政権の血なまぐさい弾圧をストップする実効的措置は当面とれないことが明らかになった。
   このような結果が、シリア現地の西部都市ホムス(アサッド父親大統領時代に大虐殺が行われた地)で前日、これまで1日としては最大の300人が当局の無差別攻撃により殺戮された直後に、もたらせれたことは如何にも皮肉である。
   しかも、最終的に表決に付された上記安保理決議案は、アラブ諸国・欧米諸国が強硬な否定的態度を示していたロシア・中国の要求に応じアサッド政権の交替を意味する文言や国連の直接介入につながるすべての文言を削除するなど再三修正する妥協を重ね、単にアサッド大統領の権限委譲を求めたアラブ連盟の「行程表」を全面支持するするとの内容のシリア非難決議案となってしまっていたものである。
   ロシアの拒否権行使は、アサッド政権との癒着からこれを見放すことは時期尚早との判断であろうし、中国の拒否権行使は、国連による加盟国の内政不干渉の原則をあくまで支持することが中国内政への国連の干渉を予防することに資するとの判断によるものであろう。
   シリア情勢についての安保理の無力さは、これで明らかになったが、アラブ諸国や欧米諸国が拒否権制度が存しない国連総会で何らかの効果的措置をとることを求めるかどうかが次の注目点となろう。
   チュニジアをはじめアラブ諸国の中には、シリアから大使を召還する措置をとりはじめる国がでてきているが、これらの措置がどこまで広がるかは未だ定かではない。
   シリア現地における反アサッド政権勢力が中央政府と互角に対抗できる組織・実力を備えていないことが最大の弱点であり、国際社会にモラル面で訴えるのみでは事態の打開はなかなか困難であろう。   
    (Y. I. )  
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


目を離せない中東情勢:到達点が未だ見えないアラブの春のインパクト

2012/02/01 18:42
   最近、アラブの春の影響をテーマとした2つのシンポジウム・セミナーに出席する機会があった。
   いずれも中東地域現地の専門家や活動家、東南アジアの中東専門家らを招き、本邦の学者、研究者を交えて、議論する本格的検討の場であったが、アラブの春のインパクトは、まだ進行中であり、アラブの春がスタートしたチュニジア、エジプトを含め、関係国における民主化の成否、ガバナンスの進展、政治経済的安定性等について断定的分析をするには時期尚早との意見が有力であった。 
   湾岸諸国においては、バーレーンにおける動きも沈静化し、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦も安定的であり、イエーメンも大統領の辞職によりひとまず方向性が出てきた観があるが、なお何が起きてもおかしくない不気味さが漂う。
   その中でも最も流動的なのがシリア情勢であるが、シリアの現地状況監視のため派遣されたアラブ連盟チームがバッシャール・アサッド政権の血なまぐさい市民弾圧の前に全くの無力さをさらけ出してしまった。
   シリア情勢についての目下の注目点は、国連安保理が何らかの実効的措置をとれるかどうかであるが、強い決議の採択にはロシア、中国が強く反対しているので、ほとんど期待薄であろう。
   オバマ大統領は、米国がアジア太平洋地域をより重視するとの政策のシフトを表明しているが、中東地域が依然米欧をはじめとする世界がとくに注目する地域であるとの状況は今後とも変わらないであろう。
    (Y. I. )
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


国家と日本の再生について

2011/12/31 16:46
   国際情報センターの主宰者茂田宏氏が本ブログを終えるに際して述べられている下記見解は、これまで本ブログにおいて示された、国際情勢の動向および日本外交の当面する諸問題・課題についての同氏の専門的分析および判断の基底にあったものであり、多くの日本人にとり、今後我が国が直面する新たな国際問題についての判断や対処に当たっても重要な示唆を与えてくれるものと云えよう。

   (国際情報センターブログの終了にともない、その紹介と関連した啓発支援を趣旨としてきた1口コメントの本ブログの更新は、一旦終了させて頂きます。長い間時折のご訪問に心から深謝申し上げる次第です。)    
   ( Y. I.)
**********************************************************************
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による下記新著がアマゾン等で発売中です。
【インテリジェンス―機密から政策へ】マーク・M・ローエンタール 著 茂田 宏 監訳
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/) 
  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)が販売中です。 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)

  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。   
******** ******* ******** *********
 「国際情報センター」(http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/)) ブログをご存じでしょうか。 
 同ブログには、現下のホットな重要国際問題の事実関係に関する正確なな情報と分析および専門家の見方が示されています。  姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
12月31日国際情報センター記事

「国家と日本の再生について」

1、 私は外交官として40年近く勤務をしてきた。その際に指針として来たのはひたすら国のことを思うということであった。外交の現場においては、色々な事件に遭遇するし、その処理で手いっぱいになることも多いが、常に国のことを思うのが外交官の仕事であると考えてきた。
最近の論調のなかで、グローバリゼイションやポスト・モダニズムにより、国家や国家主権が溶解してきているという見解があるが、私は賛成しない。欧州の統合プロセスで、欧州が一つの統合された主権国家になったとしても、この欧州合衆国も国家である。欧州以外では国家の観念は強まりこそすれ、衰退はしていない。中世的秩序が出てきているのではないかと言う観察は根拠薄弱である。

2、 私は国家というのはテンニ―スの定義に従えば、ゲマインシャフトであって、ゲゼルシャフトではないと考えている。特に日本のような民族国家は、ゲマインシャフトである。その構成員は利益を中心に結びついているものではなく、自然的に結びついている。我々の大多数は日本人であることを利益の観点から選択したのではなく、自然に日本人である。
 日本人がこの日本を大切に思う気持ちは自然な感情であり、それは尊重すべきである。愛国心は、世界において普遍的に見られる現象である。
一部の日本人が日の丸の掲揚や君が代斉唱に反対しているが、戦争中の極端な国家主義への反発と連合国側の日本弱体化のための洗脳教育が相まった効果であり、時と共に解消されていくだろう。
「自虐史観」と言われるような問題も時間と共に解消されていくだろう。民族や国家はその歴史、物語を持っている。物語には色々あってよいが、自らを道徳的に間違ったことをした国家や民族として位置づけること、自らを否定するような物語は結局なくなってしまうと私は考えている。国家も人も自己否定ではなく、自己肯定をしなければ、生きていけないからである。
その上、日本の歴史は全体としては誇るに値する歴史である。先の戦争も、人種の平等の思想が国連憲章にはじめて記されたように意味はあった。各国の歴史には栄光も屈辱も素晴らしい点も汚点もある。それは米英を含め、すべての国に当てはまることである。先の大戦を美化することはないが、汚点をも認めつつ、日本の歴史は、全体としては誇りに値するというのが私の考えである。
私はソ連圏の崩壊の際にモスクワに勤務していたが、ソ連圏の崩壊後、最初にフィンランドや東欧諸国で起こったことは、歴史の書き換えであった。ソ連のあからさまな侵略による1939年のソ連・フィンランド戦争を、ソ連側の見解に沿って記述していたそれまでの教科書は改訂された。同じようなことがハンガリーでは、1956年のハンガリー動乱について、チェコでは1968年の「プラハの春」について行われた。
フィンランド化とは何か。それはフィンランド人から、その歴史、物語を奪うことであった。日本も政治の最高指導者が靖国神社に戦没者を弔いにもいけない国ではないかとも言われる。外国の言い分を受け入れたかのような、そういう状況は是正される必要がある。日本民族の物語は複数あってよいが、外国が政治的意図をもって書いた物語は、これを拒否するべきであろう。
韓国の中学校の「道徳」の教科書には、「過去はもちろん未来も我々の安全と福祉の責任を負ってくれるのは国家しかないというのが支配的見解だ」と書いている。人権も国家がなくなれば、保障されない。イスラエルでは、ようやく出来たユダヤ人国家を存続させることが何よりも優先される。日本人はユダヤ人や韓国人のように国家を失ったことはないので、国家の重要性を意識しない嫌いがある。

3、 私がこのブログで取り上げた日本外交の諸問題の元には、敗戦後の日本が置かれた国際的状況とそれへの日本人の反応がある。
戦後、日本人は自衛のため以外の軍事力は持たないこと、その軍事力も攻撃的なものは排除して、防衛的なものにし、ドクトリンとしては専守防衛に徹すること、武器は輸出しないこと、日米同盟以外の同盟は排除することなど、自己規制をしてきた。日本のみがアジアで先進的な工業力と科学技術力を持つ時代にはそういう政策の有効性もあった。しかし時代は変わってきている。日本が脅威を与える心配よりも、日本に対する脅威を心配する時代になった。中露の軍拡、北の先軍政治がある。
私は戦後日本の思想の総点検を行うこと、そして不必要な自己規制を撤廃し、日本人の力をいたずらに抑えることを止めることが、日本外交の再生、ひいては日本の再生につながると考えている。
1946年憲法をはじめとする戦後日本の迷妄を明確に批判し、拒否することが必要である。
日本は今苦境にある。苦境の際に日本を救ってきたのは、秩序感覚に優れた、勤勉で有能な一般国民であって、エリートではなかった。経済の面でも規制を出来る限り撤廃し、国民の真価を発揮させるところに再生のカギがある。

4、これでこのブログは終わりにします。長い間、読んでいただきありがとうございました。皆さん、よいお年をお迎えください。

   上記記事の原文は、http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/38554740.htmlでご覧になれます。
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


インテリジェンス強化の必要とそのための指針

2011/12/31 07:35
  我が国では、日本に影響のありうる大きな対外的事件の発生ないし重要な地域情勢の展開が報じられる度毎に、これらについての完璧な情報を事前に入手していなかったことがあたかも政府の落ち度であったかのように再三責任を問う声が聞かれるが、そのような情報は、誰にも分かるように、そうたやすく得られるものではない。
  しかし、もとより的確な情勢判断を行いうるためには、組織的に所要の資金・人材を投入して、公開・非公開の重要情報を得るために最大限の努力が払われなければならないことは当然である。
  しかるに、下記記事にある通り、我が国の現状は、関係行政当局が縦割りである程度の努力を払ってきてはいるが、不十分な体制下にあり、機密情報に関する法制も整っておらず、主要国に比し著しく立ち後れているのは明らかであり、その改善のための指針として下記提言は傾聴に値するといえよう。
   ( Y. I.)
**********************************************************************
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による下記新著がアマゾン等で発売中です。
【インテリジェンス―機密から政策へ】マーク・M・ローエンタール 著 茂田 宏 監訳
  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/) 
  
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)が販売中です。 ( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)

  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。   
******** ******* ******** *********
 「国際情報センター」(http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/)) ブログをご存じでしょうか。 
 同ブログには、現下のホットな重要国際問題の事実関係に関する正確なな情報と分析および専門家の見方が示されています。  姉妹ブログ「現下の国際問題」 (http://smartpower.cocolog-nifty.com/blog/),(http://angelpower.at.webry.info/)でも本欄と同一記事がご覧になれます。 (http://www.269rank.com); http://news.blogmura.com/ http://politics.blogmura.com/ http://blogranking.fc2.com/in.php?id=398288 http://blog.with2.net/in.php?802369
*********************************************************************
12月30日国際情報センター」記事

「インテリジェンス強化問題」

1、 私はモスクワで外交官として働き始めたが、KGBが大使館を盗聴する、館員を情報提供者にしようと試みるなどの中で、インテリジェンス機関はけしからんことをするという気持ちを持った。
しかしその後、色々な経験を経て、外交は的確な情報、それも独自な情報、それに基づく情勢判断を踏まえて行う必要があり、独自情報なしに独自外交もないと考えるに至り、かつ国家安全保障のためには、他の大国と同様、対外インテリジェンス機関を日本も保有すべきであると考えるに至った。
戦後、連合国は日本を弱体化することがよいとの観点から、諸政策を展開したが、その一つが、日本からインテリジェンス機能を奪うということであった。結果として、戦後の日本には国家機能の重要な機能である対外インテリジェンス機能が欠落してきた。
もちろん、外務省、防衛省、警察庁、法務省、内閣調査室などが、その業務の必要上インテリジェンス機能をある程度果たしているが、不十分である。

2、 インテリジェンスをめぐっては、多くの課題があるが、重要なのは次の通り。
第1:対外インテリジェンス機能の欠落を是正するために、対外情報庁を作ること。「ウサギは長い耳を持つ」ように、今の日本には、情勢への敏感さが要る。
第2:この対外情報庁は政策当局からは独立し、客観的な情報や情勢判断を政治指導部に提供する仕組みとすること。
政策機能と情報機能は分離しておかないと、時の政府の政策的嗜好を支持する情報が優先される危険がある。情報は政策立案・遂行に誤りなきを期するためのものであるが、「政治化された情報」は排除する必要がある。
戦前の日本は今よりはましであったが、それでも情報軽視の体質があり、それゆえに失敗もした。
「必勝の信念」が強調され、客観的に戦争に負けているとの判断を言うことなど、出来ない雰囲気であり、冷静な情勢判断に基づく政策展開が困難であった。
真珠湾攻撃を行ったのは1941年12月8日であったが、そのたった1週間後にルーズベルト大統領はスターリンに、モスクワ攻防戦でのソ連の勝利に連合国を代表して祝電を送っている。欧州戦線でのドイツの勝利を前提とした日本の戦略は、欧州情勢を緻密に見ておれば、成り立つのかどうかを疑ってみる余地があった。ドイツの春季攻勢に期待するという当時の判断は、希望的観測であったことが事後的に明らかである。
松岡外相が日ソ中立条約を結んだ時に、その延長として4カ国協商(日独伊ソ)を構想していたが、その2カ月後独ソ戦が始まった。ドイツの出方の見通しを誤った。
そういう情勢判断の誤りは、戦前の日本の失敗の多くに見られる。
歴史をみると、国家も国民も集団ヒステリーに陥ることがある。その解毒剤として、冷徹な情勢判断を行う機関を、政策当局とは別に保有しておくことが重要である。
ベトナム戦争の際に、米国では、ベトコンの勢力の評価で情報機関と軍は対立した。軍が戦果を強調したのに対し、情報機関はそうでもないとした。現在のアフガン戦争についても、軍と情報機関との間でタリバンの勢力の評価について同じような対立がある。軍は自らの戦果を強調しがちである。最後は政治指導部が決めることではあるが、こういう議論があることが国を誤らせないことにつながる。
なお平時においても情報が重要な局面は多々ある。
第3:対外情報機能と国内情報機能は峻別されるべきこと。
各国での情報機関のあり方は色々な試行錯誤を経て出来てきたものであるが、明確なパターンがある。
旧ソ連のKGB、朴大統領時代の韓国のKCIA、中国の国家安全部、アラブ諸国のジェネラル・インテリジェンスはすべて、対外情報と国内情報を一緒に扱っている。公安警察的機能を持っている。
これに対し、民主主義国では、対外情報と国内情報は峻別されている。
米国ではCIAが対外情報を、FBIが国内情報を、英国ではMI6が対外情報を、他の機関が国内情報を、イスラエルではモサッドが対外情報を、シンベトが国内情報を受け持っている。ソ連崩壊後、最初になされた改革の一つは、KGBを対外情報機能と国内情報機能に分割することであった。
対外情報の手法を国内で使うことは人権の侵害につながる怖れがあり、人権を尊重する立場からこういう峻別がなされている。日本も当然そうすべきであろう。
国内情報については、法執行機関が法に基づき行うべきである。国家安全保障のための対外情報はその目的を踏まえ、別に組織されるべきである。手法も独自のものであるべきである。
現在の内閣調査室は国内情報と対外情報を一緒に扱うと言う民主主義国にふさわしくない形になっている。是正されるべきであろう。

3、 インテリジェンスの問題は幅の広い問題である。機密保護なしにインテリジェンスは成り立たないから、機密保護法制も強化する必要がある。これにも漏洩を防ぐことのほかに、いわゆる日本の機密の探知罪をどうするのか、機密の定義をどうするのか、罰則はどうするのかなど、諸課題がある。
インテリジェンスの監視の問題もある。国会が民主主義的な監視をするのが最善であるが、国会議員は院内での発言について責任を問われないと言う憲法の規定があり、国会議員が国会で機密の暴露をした場合、処罰が出来ないという問題もある。
徐々に体制を整えていくしかないだろう。

4、インテリジェンスは秘密の手段で相手の秘密を探知する活動を行い、情報を収集すること、それを公開情報などと照らし合わせつつ分析し、その時点で最良の情勢判断・見通しを提供すること、場合によっては、非公然活動を行うこと(私は、取りあえず日本はこれには手を染めないようにしたらよいと考えている)などである。
スパイ活動のようなものもインテリジェンスの重要な一部であるが、インテリジェンス活動はそういうものに限られるわけではない。情報の収集に加え、分析することも重要である。要するに的確な情勢にもとづき、対外政策を展開すると言うことである。
インテリジェンス機能の強化の問題を各省庁の縄張り争いの問題で停滞させず、真剣に検討すべき時期が来ている。ままごとのようなことをするのではなく、本格的な対外情報機関を作り、試行錯誤をしながら進んでいくことが、日本の将来にとり重要である。インテリジェンス機能をしっかりさせるためには相当な時間がかかり、促成栽培はできない。

  上記記事の原文は、http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/38552067.htmlでご覧になれます。
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


続きを見る

トップへ

月別リンク

現下の国際情勢(Biglb版)/BIGLOBEウェブリブログ
[ ]